凍花 斉木香津 ある家族をめぐる慟哭のミステリー

仲の良い三姉妹。長女が次女を殺した…
「人の心って、どこまで知ればいいんだろうね。
もしかしたら、なにも知らないほうが幸せなのかもしれない」
「そうだね、知って傷つくのは自分ってことは多そうだよね。
だけど、それでも柚香は百合さんのことを知りたいと思ったんだろ」
(「凍花」より)
家族でも恋人でも、結局は他人であり、その心の内はわからない。
この小説は美人三姉妹の長女百合が次女梨花を撲殺した。
残された三女柚香が百合の心の闇に踏み込んでいくお話です。
人は心に何枚の仮面をかぶっているんでしょうか。
三女は長女の分厚い仮面を何枚も外さないといけません。
近しい人の心にクローズしていくということはなぜか
自分も傷ついてしまうという仕組みです。
でも、それでも家族内で事件が起きてしまったので、
傷ついても一歩踏み込んで向き合わないといけません。
「本音と建前」とはよく言ったものです。
素直でいたいものですが、思ったことを素直に口に出せば、
空気の読めないやつになりますし、
周りの人を傷つけることになるかもしれません。
ただ仮面をつけすぎると心が病んでしまいます。
長女の日記ではないですが、はけ口のようなもので
バランスを取らないといけません。
長女という重責。奔放、自分勝手に見える妹たち。
あぁ、自分は妹でよかった笑
これは長女の方が読むと、あるあるが多い小説かもしれません。
長女の方にお勧めです。


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