桐野夏生 水の眠り 灰の夢 昭和の未解決事件草加次郎事件がモチーフ

桐野夏生 水の眠り
「『映画の中でマチェクと女が墓碑銘を読むだろう。
【君は知らぬ、燃えつきた灰の底にダイヤモンドが潜むことを…】
美しい詩だ。覚えているか。』
『ああ』
『その言葉が心から離れないんだ。美しいもの、この世に滅多にないもの。
ダイヤモンドはその象徴なんだ。』」
(「水の眠り 灰の夢」より)
東京オリンピックを控えた日本を脅かした「爆弾魔草加次郎事件」がモチーフの小説。
ノンフィクションでしょうが、フィクションか?!と思うくらいリアリティのある作品です。
桐野夏生さんの推し進める草加次郎像がやたら腑に落ちます。
草加次郎事件を中心として、当時の風俗やファッションが細かく描写されていますので
そちらもまた読みごたえがあります。
アイビールック。トリス。ピース缶。
当時の日本の変化、成長がよく描かれています。
東電OL殺人事件をモチーフにした「グロテスク」もそうですが、
未解決事件を元に話を描く桐野さんの想像力は感心します。
以前、こちらに紹介させて頂いた「オリンピックの身代金」でも
この時代が舞台で草加次郎事件が絡めてある作品です。
そういうくくりで読み比べてみてもおもしろい作品です。


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