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かまわぬの日本手ぬぐい店/季節を感じる柄遊び



■会期
2006年4月8日(土)~9月28日(木) 期間中無休
■内容
手拭いの多くは、明治時代から続く染めの技法「注染」を用い、職人の手によって作られています。一尺三尺、およそ33センチ×90センチの綿の晒しです。型彫り職人が彫った型紙を長い反物に重ね、手拭い一枚分に防染糊をおいていきます。反物を折り畳みながらこの作業を繰り返し、その後染料を上から注いで染め上げます。糊を洗い流してから乾かし、最後に一枚ずつカットして、店頭に並びます。染料は、その日の天候・気温・湿度などによって発色が微妙に異なります。染めたもののため色落ちはありますが、洗う度に柔らかく風合いを増していくのは注染の手拭いならではの味わいです。手拭いの端は切りっぱなしです。縫い目のない晒生地は乾きが早く、ホコリがたまらないため衛生的で、高温多湿の日本の気候において、利にかなったとも言えます。手拭いには使い方に決まりはありません。今回は、東京 ・ 代官山に本店がある「かまわぬ」の手拭いや団扇など50種類以上を展示・販売します。また毎月違った新しい柄も入荷しますので、季節や使う場所にあったお好みのものを選んで下さい。
■「かまわぬ」について
鎌と輪の絵に「ぬ」の文字を合わせて「かまわぬ」と読む判じ絵。江戸時代元禄の頃、町奴(まちやっこ)達が好んで身につけていたとされ、その後歌舞伎役者の七代目市川団十郎(1791~1859)が舞台衣装に用いて、当時の庶民の間で大流行したと言われています。手拭い専門店「かまわぬ」は「特別に何のお構いも出来ませんが気軽にお立ち寄り下さい」という意味を込めています。「手拭いを売ること」だけが目的ではなく、手拭いなど古き良きものを新しい感覚で取り入れ提案していきます。また手拭いや晒を使った和雑貨、遊びのある雑貨を展開し、人々が心地よく楽しい生活をおくるためのお手伝いをしていきたいと考えています。
■手拭いの出来るまで
かまわぬの手拭いは『注染』という技法を用い染めています。生地 ・ 型紙 ・ 染め…。すべての工程は職人の手によって作り出され、またそれぞれの分野でも作業を細かく分担し、たくさんの職人の手を経てようやく一枚の手拭いが完成します。日常遣いの手拭いですが、手間と時間をかけて作っています。職人の技をどうぞお楽しみください。
晒生地(さらしきじ)
木綿の晒を用います。1反約12m。糸には織る時に必要な糊がついているので、染料の浸透を良くするため一度水洗いをします。これを干場で天日干しし、巻き取って生地になる反物が完成します。
糊付け(のりつけ)
晒反物に糊付けします。糊は防染糊というもので糊がついている部分が染まらず、ついていない部分を染めていきます。この時、渋紙(和紙を柿渋でぬりかためたもの)で作った型紙を使用します。
染め
糊付けした反物をコンプレッサー(圧搾機)のついた台に乗せ、染料を注いでいきます。注いで染めるところから「注染(ちゅうせん)」と呼ばれます。また両面から染めているため、手拭いは両面とも表になるのです。
仕上げ
糊を落とし、ようやく染め上がります。ただし2型以上使う柄の場合は、再び同じ工程を繰り返し染めていきます。職人が手塩にかけた手拭いをあなたも使ってみませんか。
■手拭いの歴史
平安時代には神事の際の装身具として使われていました。布が貴重品だったため奈良時代にも庶民には浸透せず鎌倉時代から少しずつ普及し始めました。江戸時代には綿の栽培が各地で行われるようになり、手拭いは生活必需品として定着していきました。機能性だけではなく、芸術性を重視されるようになるのはこの頃で「手拭い合わせ」という催しが粋な人々の間で広がり、それぞれの考案したデザインを手拭いに染めて競い合いました。それにより染めの技術も発達していきました。明治時代に入って「注染」という染めの技法が考案され、染め業界に大変革が起こりました。昭和のころには、手拭いを趣味とした会が出来るなど日常品の枠を超えて全国に拡がっていきました。今ではさまざまな色柄のてぬぐいが生まれ、自由な発想で使われています。
■かまわぬのオフィシャルサイト
http://www.kamawanu.co.jp
